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歯育て、子育て、生活リズム | ||
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服部 哲雄 | ||
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1.はじめに
2000年11月4日東海高校第28期生同窓会(にっぱち会)がありました。
大変楽しいひとときを4年ぶりに味わうことができました。
その後しばらくして、電子メールで岡田耕氏より「にっぱち会のホームページ」開設の連絡が入ってきました。 私は、気軽に(メールの良さでもあり、欠点でもあるが)「何かあればお手伝いしましょうか?」と送信したところ、 わざわざ東京から、運営担当の長尾数馬氏が、直接当診療所に訪れて、にっぱち会Web運営について熱く語られ、 その情熱に動かされ、私のようなものが原稿を書くことになりました。 |
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2.私の紹介
さて、前置きが長くなりました。まず東海時代、無名(?)だった私の紹介をいたします。
高校時代のことは、卒業アルバムを見ていただくとして、1984年愛知学院大学歯学部を卒業。
一般病院に勤務する傍ら、同大学麻酔学講座入局、1988年日本歯科麻酔学会認定医取得。
1993年地元名古屋市昭和区で開業しております。 大学時代は、先輩の影響もあって障害者の歯科医療や予防歯科、医療制度などに関心を持ち、 歯科医療サークルでフィールドワークをしたり、また数年でしたが軽音ジャズのクラブにも所属しておりました。 |
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3.歯育て、子育て、生活リズム
病院時代の話しではなく、現在の私の思っていることを書こうと思っています。
へたくそな文章、最後までおつきあいください。 ご存じのように昭和区は、歯科開業医飽和状態の地区ですが、お陰様で開業7年目が過ぎようとしています。 私の開業のコンセプトは、地域に根付いた患者さんの立場に立つ医療とその情報発信基地となろうと言うことでした。 (今では、情報を得に来るところと思っています。) 情報化社会と言われ続け、インターネットの急速な普及や最近ではIT革命なることばも飛び交っています。 しかし、情報が溢れんばかりに、しかも簡単に手にはいるというのに、多くの人のお口の状況は、 なかなか良くなっていないことに驚いたのです。 私は歯科のことしかわかりませんが、以前勤めていた田舎の病院の状況だけと思っていたら、 地元昭和区でもそんなに変わっていませんでした。 たまたま、地域の子育てグループや共同保育所から歯の話の依頼があり、もう6年続いていますが、 テーマは「歯育て、子育て、生活リズム 〜 情報化社会と言われるけれど、本物の情報は伝わっているか…」 というタイトルで話してきました。 私は、歯磨きをしましょうとか甘いものは止めましょう…などという話をあまりしません。 そんなことは誰でも知っているからです。わかっているけどできないならまだましなのですが、 知らされていないためにできていない、が問題なのです。 病気は、ストレスとアレルギーがすべての原因と言っても過言ではありません。 お口の病気(主には、虫歯と歯周病、最近顎関節症など)も、同じです。 ある例では、年子の男の兄弟2人を子育てしているお母さん、定期歯科検診にはちゃんと来院される。 しかししばらくするとお母さんに虫歯が現れる。 よくよく聴いてみると、男の子2人ともわんぱくで、家の中をすぐちらかしてしまう、言うことは聞かない…などなど。 子育てで一番大変な時期にかなりのストレスを感じているという。 ついつい甘いコーヒーを毎日に何杯も飲んで、自分を癒やしていると。 煙草を止めた中年の男性、ついつい口元が寂しくガムやアメをお口に入れてしまう。 その結果、何度治療しても暫くすると、新しく虫歯をつくってしまう。こんな事例はよくあることです。 確かにストレスには、甘いものは薬だと思います。 しかし歯はもちろん、体にとっても取りすぎはよくありません。 ストレスの全くない生活はありません。むしろ適度なストレスは、程良く人を成長させてくれます。 料理のスパイスと同じで辛すぎても、少なすぎてもいけません。 時々、お口の中はきれいじゃないけれど、虫歯や歯周病のほどんどない患者さんに出会います。 子どもですと、特別歯磨きを一生懸命やっているわけではないし、成人でも定期的に歯科検診しているわけでもない。 いずれも共通することは、目が輝いている、なにか生き甲斐を持っている、生活リズムがある。 ご飯を中心とした和食が好きで、海産物をよく摂る…などの傾向があります。 食生活は、やはり健康の一つのバロメータです。 やはり日本民族は、土地、社会にあった食をちゃんと摂れれば、歯科疾患にかかわらず、 病気からすこしでも遠ざかることができるようです。 同級生の歯科管理をしていますが、30代の時は、全く歯周病でなかった人でも、 40代になるときちっと定期検診にきていても、歯ぐきを掃除すると出血します。 年齢的に免疫が下がってくる時期とストレスがかかってくる責任ある世代かなぁと思っています。 最近、なるべく削らない治療に心がけています。 もちろん削らざるを得ない歯の方が多いのですが、最近の論文などでは、初期の虫歯は、溶けたり(脱灰)、 また硬くなったり(再石灰化)して、歯が強くなる傾向があるそうです。 つまり自然治癒力が唾液の力でおこるというのです。もちろん唾液が砂糖漬けであったり、 ストレスで粘調で洗浄力のない場合がありますが、これは別。 ですから、いきなりレントゲンで虫歯があったから削るというスタンスはとっていません。 逆に患者さんを説得して、むしろ定期的に検診をしてどうして虫歯になったのかの原因を見つけるよう努力します。 食生活なのか、噛み合わせなのか、職場や家庭におかれている環境が原因なのかです。もちろん積極的に予防はします。 歯周病は、古来からの病気で、軟食傾向や24時間お口の中を汚染している生活環境、簡単に歯科に受診できない社会事情が、 それを加速しています。 近年、生活習慣病という言葉が、つくられましたが、私は、個人では防ぎようにない病気、つまり医療制度、 社会体制病とした方が当たっているのではないかと思います。 最初に書きましたが、デジタル社会、情報化社会などと叫ばれ、 それについていけないデジタルデバイドにならない焦りがあるようですが、所詮人間は、アナログです。 何万年とかけて遺伝子が伝えられ、大袈裟に言えば宇宙のリズムを体内に刻み込まれている生物は、簡単には変わりません。 0と1では割り切れない中に、病気が発生します。 | |
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4.おわりに
おわりに、最近は「癒やし」という言葉が医療の現場で、特にターミナルな疾患の現場で使われています。
なかでも「笑い」が体のなかの治癒力を高めるのです。
ユーモアのある笑いが少なくなっている中で、「心地よい笑い」「エンゼルスマイル」を提供できる医療現場は、
すばらしいと思います。
現代社会では、様々な制約を受け、世紀末のなかで自らの存在を見失いやすい状況で疾病に罹ります。 「従病口入、禍従口出」「口禍之門」(お口から禍は出ていくところ)などといいます。 そんな大切なお口を「健康の入り口」にできるように「歯」を磨くことより 「笑いのセンス」を磨くことで患者さんと向きあいたいと願っています。 | |
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5.最後に
最後に、このような原稿を書く機会を与えてくださいました「にっぱち会web」運営担当者に感謝いたします。 ありがとうございました。 2000年 12月 | |